令和8年10月1日から、大阪府の最低賃金(時間額)が 1,177円 → 1,231円(54円の引上げ)に改定されます。パート・アルバイトの時給はもちろん、月給制の社員も「時給に換算すると1,231円以上か」を確認する必要があります。本稿では、改定の内容と、会社が9月中に確認しておきたいポイントをまとめました。
本稿の要点
- 令和8年10月1日から、大阪府最低賃金は時間額1,231円(現行1,177円から54円引上げ)
- 大阪府内の事業場で働くすべての労働者が対象(正社員・パート・アルバイト・派遣など雇用形態を問いません)
- 時給の人だけでなく、月給・日給の人も時間額に換算して下回っていないか確認が必要です
改定の内容
| 改定前 | 改定後 | |
|---|---|---|
| 大阪府最低賃金(時間額) | 1,177円 | 1,231円 |
| 引上げ額 | 54円 | |
| 発効日 | 令和7年10月16日 | 令和8年10月1日 |
全国では、47都道府県すべてで54円〜65円の引上げが答申され、全国加重平均は1,177円(前年度比+56円)となりました。各都道府県の新しい最低賃金は、令和8年10月1日から12月2日までの間に順次発効する予定です。大阪府以外に事業場がある会社は、その都道府県の発効日と金額も確認してください。
最低賃金の基本ルール
最低賃金の効力
最低賃金法第4条は、「使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない」と定めています。さらに、最低賃金に達しない賃金を定めた労働契約は「その部分については無効とする。この場合において、無効となつた部分は、最低賃金と同様の定をしたものとみなす」とされています(同条第2項)。つまり、本人が納得して低い時給で契約していても、法律上は最低賃金額で契約したものとして扱われ、差額の支払い義務が生じます。
計算に含めない賃金
最低賃金と比較するのは、基本給と諸手当の合計から、次の賃金を除いた額です。
- 精皆勤手当、通勤手当、家族手当
- 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
- 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
- 時間外・休日・深夜労働に対する割増賃金
「通勤手当を入れれば1,231円を超える」は通用しませんので、ご注意ください。
月給制の時間額換算
月給制の場合は、最低賃金法施行規則第2条により、月給を「月における所定労働時間数(月によつて所定労働時間数が異なる場合には、一年間における一月平均所定労働時間数)」で割った金額を最低賃金と比較します。
【計算例】月給200,000円(通勤手当・家族手当などを除く)、1日8時間、年間所定労働日数250日の場合
| 月平均所定労働時間 | 8時間 × 250日 ÷ 12か月 ≒ 166.67時間 |
|---|---|
| 時間額 | 200,000円 ÷ 166.67時間 ≒ 1,199.98円 |
| 判定 | 1,231円未満 → 10月以降は最低賃金違反 |
会社が9月中に確認しておくこと
そのままチェックリストとしてお使いください。
| 確認すること | ポイント |
|---|---|
| ① 全従業員の時間額チェック | 時給者は時給そのもの、月給・日給者は上の方法で時間額に換算し、1,231円未満の人がいないか確認する |
| ② 10月1日以降の賃金から改定 | 給与の締日が月末以外の場合、9月分と10月分が混在する計算期間では、10月1日以降に働いた時間分から新しい額を適用する |
| ③ 雇用契約書・労働条件通知書の見直し | 時給を改定する人には、新しい賃金額を書面で明示する |
| ④ 賃金規程・賃金テーブルの点検 | 就業規則(賃金規程)に記載した最低ランクの時給・月給が下回っていないか確認する |
| ⑤ 社内への周知 | 最低賃金法第8条:「当該最低賃金の概要を、常時作業場の見やすい場所に掲示し、又はその他の方法で、労働者に周知させるための措置をとらなければならない」 |
| ⑥ 派遣労働者を受け入れている場合 | 派遣労働者には派遣先(実際に働いている事業場)の地域の最低賃金が適用される |
特定最低賃金
大阪府には、鉄鋼業、はん用機械器具製造業、電子部品・デバイス・電子回路製造業、自動車・同附属品製造業などを対象とする「特定(産業別)最低賃金」もあります。地域別と特定の両方が適用される場合は、高いほうの額が適用されます。特定最低賃金は昨年度は12月に改定されていますので、該当する業種の会社は、秋以降の大阪労働局の発表もあわせてご確認ください。
根拠・出典
本稿の数値・条文は、次の官公庁の公表資料で確認しています(すべて確認日:2026年9月20日)。
| 発行元 | 資料名(クリックで原文へ) |
|---|---|
| 大阪労働局 | 大阪府の最低賃金のお知らせ(令和8年10月1日発効分の掲載内容) |
| 大阪労働局 | 大阪府最低賃金の改正決定について(令和8年8月7日 大阪地方最低賃金審議会の答申) |
| 厚生労働省 | 全ての都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されました(令和8年9月3日 報道発表) |
| 厚生労働省 | (別紙)令和8年度地域別最低賃金額答申状況(令和8年9月3日時点。47都道府県の改定額・発効予定日の一覧、PDF) |
| e-Gov 法令検索 | 最低賃金法 第4条・第8条・第40条 |
| e-Gov 法令検索 | 最低賃金法施行規則 第2条 |
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※本稿は公開日時点の官公庁の公表資料に基づく一般的な情報提供です。個別の事案については状況により取扱いが異なる場合がありますので、当事務所までご相談ください。

