労働・社会保険等手続き

 労働・社会保険の手続は、従業員の入社・退職のときだけではなく、会社を設立したときや毎年必ず行う必要があるものなど多岐にわたりますが、必要な手続きを行わずにいると、従業員の労働災害や失業、病気やケガ、将来の年金などについて、給付を受けられないなどの重大な不利益につながってしまいます。また、コンプライアンス(法令順守)の視点からも大変重要です。
当事務所では、最新の法改正に対応しながら、正確かつスムーズにサポートいたします。

 本項では、労働・社会保険について分かりやすいように下記のとおり区分しております。

労働保険:労災保険、雇用保険
社会保険:健康保険、介護保険、厚生年金保険

目次

労働保険と社会保険

労働保険

 労働保険は、労災保険と雇用保険とを総称した言葉です。
保険給付は両保険制度で別個に行われていますが、保険料の納付等については一体のものとして取り扱われています。

労災保険

 労働者(パートタイマー、アルバイト含む)を一人でも雇用していれば、業種・規模の如何を問わず労働保険の適用事業となり、事業主は成立(加入)手続を行い、労働保険料を納付しなければなりません(農林水産の一部の事業は除く)。
労災保険の保険料は、全額事業主が負担します。

労災保険は、事業主の加入が認められていませんが、「特別加入」の制度を利用して加入することが可能です。

適用事業所でありながら成立手続が行われない場合、遡って労働保険料の徴収が行われますが、併せて追徴金も徴収される場合があります。
※平成17年度より労災保険未手続事業場に対する罰則が強化されています。
参照:労災保険未手続事業主に対する費用徴収制度の強化について

雇用保険

 労働者を雇用する事業は、事業の種類や規模を問わずすべて適用事業となります。
ただし、個人経営の農林水産業(農業用水供給事業、もやし製造業を除く)で、雇用している労働者が5人未満の事業は任意適用です。
雇用保険の保険料は、事業主と被保険者の双方が負担します。

次の労働条件のいずれにも該当する労働者は、正規・非正規関係なく原則として被保険者となります。

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
  • 31日以上の雇用見込みがあること

季節的に一定期間のみ雇用される方など、一部被保険者とならない場合があります。

雇用保険の適用拡大により、2028年(令和10年)10月1日から、被保険者要件のひとつである週所定労働時間が、「20時間以上」から「10時間以上」に変更されます。

社会保険

 すべての法人事業所(事業主のみの場合を含む)、常時5人以上の従業員のいる個人事業所(一部業種を除く)は強制適用事業所です。
社会保険料は、事業主と被保険者の双方で負担します。
社会保険には「健康保険」「介護保険」「厚生年金保険」の3つがあります。

健康保険

業務外での病気やケガのほか、出産や死亡に関する保険給付を行います。保険料は事業主と被保険者の双方で負担します。

健康保険が「全国健康保険協会(協会けんぽ)」の場合は年金事務所のみ、「健康保険組合」の場合は各健康保険組合及び年金事務所へ届出を行います。

75歳以上の方または65~74歳の方で一定の障害の状態にあることにつき後期高齢者医療広域連合の認定を受けた方は、「後期高齢者医療制度」に加入することになり、これまでの健康保険被保険者から外れることになります。
※後期高齢者医療制度には被扶養者という制度がないため、健康保険の被扶養者だった方は、ご自身で保険料を負担して後期高齢者医療制度に加入するか、国民健康保険などの別の医療保険に加入する必要があります。

介護保険

 介護保険制度とは、高齢者の介護を社会全体で支えることを目的に創設された公的保険制度で、40歳以上の加入が義務化されており、40歳から64歳までの健康保険の加入者(第2号被保険者)は、健康保険料と一緒に介護保険料を納める必要があります。
保険料は事業主と被保険者の双方で負担します。

「満40歳に達したとき(40歳の誕生日の前日)」の属する月から、「満65歳に達したとき(65歳の誕生日の前日)」の属する月の前月まで徴収されます。

65歳以降は介護保険の「第1号被保険者」となり、お住まいの市区町村より介護保険料が徴収されることとなります。

厚生年金保険

 厚生年金保険とは、会社等に勤務している70歳未満の方が加入する公的年金制度です。
保険料は事業主と被保険者の双方で負担します。

70歳到達日(誕生日の前日)以降も引き続き同一の事業所に使用される場合でも、70歳以上の加入期間は被保険者期間とはならないため、厚生年金保険の保険料は徴収されず、年金にも反映されません。※一定の要件を満たした場合に加入する「高齢任意加入」を除く。

「在職老齢年金制度」
老齢厚生年金を受給されている方が厚生年金保険の被保険者であるときに、受給されている老齢厚生年金の基本月額と総報酬月額相当額に応じて年金額が支給停止となる場合があります。
平成19年4月以降に70歳に達した方が、70歳以降も厚生年金適用事業所に勤務されている場合は、厚生年金保険の被保険者ではありませんが、在職による支給停止が行われます。

労働・社会保険等に関する各種手続き

会社設立~従業員を雇用したときの手続き

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手続き概要手続き提出先
会社を設立したとき健康保険・厚生年金保険 新規適用届
健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届
年金事務所
初めて従業員を雇用したとき労働保険 保険関係成立届労働基準監督署
初めて被保険者となる従業員を雇用したとき雇用保険 適用事業所設置届
雇用保険 被保険者資格取得届
ハローワーク

一人法人であっても健康保険・厚生年金保険の加入が必要です。

労働保険の成立届と同時に、概算保険料の申告を行う必要があります。

年に1回必ず行う手続き

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手続き概要手続き提出先
労働保険(労災・雇用保険)の保険料申告労働保険年度更新申告都道府県労働局や労働基準監督署6月1日から7月10日まで
社会保険の報酬額の届出(定時決定)報酬月額算定基礎届年金事務所7月10日まで
残業や休日出勤を行わせるとき時間外・休日労働に関する協定労働基準監督署

従業員の入社・退職、扶養家族等の手続き

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手続き概要手続き提出先
従業員を雇用したとき雇用保険 被保険者資格取得届ハローワーク
健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届年金事務所
健康保険 被扶養者異動届
国民年金 第3号被保険者関係届
年金事務所扶養家族がいる場合
扶養家族の変更健康保険 被扶養者異動届
国民年金 第3号被保険者関係届
年金事務所結婚、出生、被扶養者の就職等
従業員が退職したとき雇用保険 被保険者資格喪失届ハローワーク
健康保険・厚生年金保険 被保険者資格喪失届年金事務所

会社の名称・所在地等に変更があったときの手続き

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手続き概要手続き提出先
名称・所在地が変更したとき労働保険 名称、所在地変更届労働基準監督署
雇用保険 事業主事業所各種変更届ハローワーク
健康保険・厚生年金保険 適用事業所名称/所在地変更(訂正)届年金事務所
事業主(代表者)が変更したとき健康保険・厚生年金保険 事業所関係変更(訂正)届年金事務所

事業主(代表者)のみが変更となった場合、労働基準監督署とハローワークへの届出は不要です。

給与の支払額変更や賞与支給があったときの手続き

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手続き概要手続き提出先
賞与を支払ったとき賞与支払届年金事務所
基本給や手当が昇給または降給し、等級が2等級以上変動したとき報酬月額変更届年金事務所

賞与を支給しなかった場合は「不支給報告書」を提出します。

様々な給付金の手続き

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手続き概要手続き提出先
60歳以上となり賃金が減額したとき高年齢雇用継続基本給付金ハローワーク
家族を介護するために休業したとき介護休業給付ハローワーク
産前産後休業をするとき健康保険・厚生年金保険 産前産後休業取得者申出書年金事務所

育児のために休業するとき
育児休業給付金、出生後休業支援給付金ハローワーク
健康保険・厚生年金保険 育児休業等取得者申出書年金事務所
育児休業終了後、時短勤務となったとき育児時短就業給付ハローワーク

給付金にはそれぞれ受給要件があり、要件を満たさないと受給することができません。

料金

料金については「料金のご案内」をご参照ください。

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